僕も一時期常務理事を務めた事もある、東京コレクションも今やメルセデスベンツが冠スポンサーとなり
「メルセデスベンツファッションウィーク東京2013S/S」
と名前もすっかりと様変わりしちゃったもんな。
10月19日から始まり、41ブランドが参加する大規模なものになった。
イヤ~やっぱりお金の力はすごいもんだと痛感しちゃった。
会場も「東京ミッドタウン」から若者の街「渋谷ヒカリエ」に移し、より一層若い人たちに関心を持ってもらおうといったところなんだろうな。
で、僕も仕事と仕事の合間をみては時間がある限り会場に駆け付けた
年々ジャーナリスト達も含め、ブランドやデザイナーが老衰化あるいは石灰化する中、若いデザイナー達の層がう~んと厚くなってきているのは嬉しいことである。
しかし、41ブランドの参加と言ってもすべてができのいいものばかりではなく、中には「お前才能ないからやめろって」といいたくなるようなものもあるんだよ。
全体的には僕が現役時代の心構えとは違い、創造性や発信力などレベルが低いのは否めない
そして、内容はというと年々冷え込む市場と向き合わなければならないという事実もあるんだろうな
期待していたブランドもベーシックになり、日常使える服が東京ファッションの現在形になってきているように思えた
その大きな原因はというと、日本国内のデパートを始め大手の売り場は商品を買い取るという習慣が無く、この弊習がなくならない限り、創造性のある個性的な物はほとんど市場には出てこれなくなる
つまり大手のバイヤーが販売実績のない商品には見向きもしないっていうのが現実なんだろう
その中でも「エライ」と思うコンセプトをしっかり持ったブランドもいくつかあったね
まず、ドンがビックリしたのはalice-auaa(アリスアウアア)だよ
全体的には僕の好みではないが、ゴシック、フェティッシュを混ぜ合わせたアニメの中から出てきたような作品群
「売れるかな~」なんてついつい心配しちゃったけどね
後、DRESSCAMPとして4年振りにコレクションを再開した岩谷俊和君だね
ド派手な蛍光色がほとんど
それもそのはず、今回はイタリアのスポーツメーカーlottoとのコラボレーションという事なのだ
[レトロなプリントのトップにキラキラのフィルムの織った2枚重ねのフレアスカートに黄緑のフェイクファーの靴。]
[レオパール柄にアフリカンな柄をミックスしたワンピースにもド派手なフェイクファーの靴。]
[あまり新しくは考じなかったモンドリアン柄のパフスリーブのミニワンピ。]
[ジップアップのスポーツシャツジャージの丈が長~くなったようなシャツワンピ。]
後、期待はしていたG.V.G.Vはフェミニンとマスキュリンが同居するオリジナルの世界観が良かったが、一時のとんがった服というよりは売れ筋を考えたコレクションとなっていた。
[一時のとんがった服より売れることを考えたコレクションだった。色も藍色を中心としたバティック調のプリント。]
[ハイウエストのタックパンツの上もエスニックな80年代調板染め風のボーダー。]
全く番外編だがタレントの若槻千夏がデザインするWCが初めてショーをしたんだ。
はっきりいってコレクションを発表する場を間違えたね
このイベントの場に多くのファッションジャーナリストや業界人を招く以上、人に感動をもたらす服(作品)を発表するのは必須の事。
先輩として一言いうと、経験不足なのは免れないが、自分が見てきたものだけではなく怖がらず概念を打ち破ってこそ新しい服が生まれる、いや生まなきゃいけないんだよ。
まあ、なんやかんやいってあっという間の一週間だったが、努力しているデザイナーが早くビジネスチャンスを掴んでビックになってもらいたいもんだと心から思った
次回もファッションコレクションネタをお楽しみに